(令和2年3月退職)
私の研究は、生命現象に深くかかわるタンパク質の構造や機能を調べることです。最近、この研究が人類の古代文化や文明などにまつわる謎解きにまで役立ちはじめました。「化学」を英語ではケミストリー(Chemistry)といいますが、私は「化(ケ)ミステリー=KeMystery」と呼びたいと思います。化学といえば新しい化合物の合成を連想する人が多いかもしれませんが、楽しみながら意外なところで社会に貢献できるところも化学の謎の一つです。
(無機化学分野・有機金属・錯体化学研究室)
偉大な化学の発明や発見には予期しない偶然の産物によって見つかったものがあり、これをセレンディピティーと呼びます。私の研究の中にも、小さいですが、たくさんのセレンディピティーがありました。日々の研究は、ときに単調で失敗が連続することもありますが、新たな発見の感動や興奮を味わいたくて毎日研究に励んでいます。是非、一緒にセレンディピティーを体験し、化学の歴史に皆さんの名前を刻んでみませんか。