化学コースよりご挨拶

 奈良女子大学理学部化学生物環境学科化学コースのホームページをご覧いただきありがとうございます。もしあなたが高校生であれば,化学に興味をもち,将来,どの大学に進学しようか考えているところでしょうか。または,理系に進学するかどうかで迷っている方もおられるかもしれません。化学コースでは,化学を根幹として科学的な思考を身につけることにより,学生が「自ら調べ,自ら考え,自ら判断できる」ようになることを目指し,社会に出てからも化学分野に留まらずあらゆる分野で活躍できる人を育てていきたいと考えています。

 化学は物質を対象とした学問であり,私たちの身のまわりにあるほとんどのものが研究対象となり得ます。物質の構成単位である原子の種類(元素)は100種ほどしかありません。しかし,これら有限の原子の組み合わせにより生じる分子の構造は無限にあり,「化学」の力によって作られた医薬品・農薬,高分子,ファインセラミックス,半導体,電池などが私たちの豊かな社会を支えています。一方で,現在の人類社会が克服しなければならない地球温暖化,エネルギー,環境,資源,食糧,水などの地球規模の諸問題の解決にもやはり,「化学」の力が不可欠です。このように化学は,私たちの生活を快適で便利にするとともに,よりよい未来の実現に向けた夢のある学問分野であるといえます。

 化学コースのカリキュラムでは,1年次において高校と大学の間の橋渡しがスムーズに行えるように基礎・入門的な科目を学びます。2年次には物理化学・有機化学・無機化学の三大分野の根幹を学び,3年次には各分野のより専門的な科目を履修します。化学コースの科目に加えて,生物科学コース・環境科学コースとの連携により生物系や環境系の科目も学べるなど,多彩で豊富な開講科目のなかから,学生皆さんの興味や志向に応じて履修できるカリキュラムになっています。また,1年次から学生実験が開講されており,基礎から専門までのさまざまな実験を安全に行うことができるスキルも身につけることができます。4年次には,研究室に所属して未知の研究に挑む「卒業研究」を1年間行います。化学コースでは,できれば卒業後も大学院博士前期課程(2年間)に進学して,卒業研究とあわせて3年間を通して専門分野における研究活動を行うことを勧めています。3年間の研究活動を通じて,専門的な知識・実験技術に加えて科学分野での研究の進め方や柔軟な思考力を十分に身につけることができます。研究が面白くなってさらに究めたいと感じた方には,大学院博士後期課程(3年間)への進学の道も用意されており,経済的支援や博士後期課程修了後のキャリア支援も充実しています。

 ホームページをご覧になり,化学コースに少しでも興味をもってもらえましたら幸いです。長い歴史をもつ古都・奈良にあり,自然豊かで静かな環境に囲まれた奈良女子大学のキャンパスで,化学を一緒に学びませんか。

 
 化学コース長  浦 康之

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