リング法およびプレート法に対応した高精度な表面張力の測定装置です。液滴に働く力をセンサーで測定し、液体の表面張力や界面張力を自動で求めることができます。CMC・表面張力測定に加え、粉体や繊維の接触角測定にも対応し、界面科学の幅広い評価が可能です。
多機能自動表面張力計 K100C
Wilhelmy plate法による表面張力測定の原理
バブルプレッシャー法(最大泡圧法)に基づいて動的表面張力を測定する装置です。一定流量で液中に生成される気泡の内圧を測定し、気泡寿命(5ミリ秒〜30秒)の関数として表面張力の時間依存性を評価します。界面活性剤の吸着速度や吸着平衡への到達時間などを定量的に解析することが可能です。
バブルプレッシャー式動的表面張力計 BP2
最大泡圧法による動的表面張力測定の原理
液滴形状解析(Drop Shape Analysis)法に基づいて、界面の粘弾性特性を評価できる装置です。液滴や気泡の形状変化から、表面・界面張力の時間依存性や界面弾性・粘性モジュラスを定量的に求めることができます。さらに、温度・圧力制御、振動印加、拡張・圧縮による動的測定が可能であり、界面活性剤や高分子、粒子系による吸着挙動や膜形成の力学特性の解析に有効です。複雑な界面構造の理解や泡・乳化系の安定性評価に活用できます。
界面粘弾性装置 TECLIS Tracker
界面粘弾性測定の原理
固体表面に対する液滴の接触角を自動かつ高精度に測定できる装置です。静的・動的接触角(進行角・後退角)に加えて、表面自由エネルギーや液–液界面張力の評価にも対応しています。液滴の形成・滴下から測定・解析までをソフトウェアで自動制御でき、高い再現性と操作性を両立しています。材料表面の濡れ性評価や前処理効果の検証、界面現象の解析など、多様な界面研究に活用されています。
界面粘弾性装置 TECLIS Tracker
界面粘弾性測定の原理
ラングミュア膜の圧縮–展開操作や表面圧–面積(π–A)等温線の測定に用いられる装置です。脂質や界面活性剤などの不溶性単分子膜を水面上に形成し、分子配列や膜圧縮挙動、分子間相互作用の評価が可能です。また、Langmuir–Blodgett(LB)膜の作製にも対応しており、単分子膜の固体基板への転写による機能性薄膜の構築にも活用されます。
KSV Langmuir‑Blodgett Minitrough
表面圧–面積(π–A)等温線測定の原理
ALV-5000Eは粒子の動きをナノスケールで調べる動的光散乱(DLS)測定に用いる相関器です。散乱光の強度変動から自己相関関数を計算し、拡散係数や粒子径などを評価します。広い時間スケールにわたる高精度な解析が可能で、ミセルやベシクル・リポソームなどの会合体の動的挙動の研究に活用しています。
DLS装置 ALV-5000E
動的光散乱(DLS)の原理
動的光散乱(DLS)によりナノ粒子のブラウン運動を解析し、粒径分布や拡散係数を評価できる装置です。さらに、電気泳動光散乱法(ELS)によるゼータ電位測定や静的光散乱(SLS)による分子量測定も可能です。658 nmレーザー光、検出角(15°/90°/175°)の切り替え、温度制御機能を備えており、粒径0.3 nm~10 µm、ゼータ電位±1000 mVまでの測定に対応します。当研究室では、ミセル、リポソーム、ナノエマルションの粒径やゼータ電位の評価などに活用しています。
Litesizer DLS 700
動的光散乱(DLS)およびゼータ電位測定の原理
溶液中の微小な屈折率変化(dn/dc)を高精度に測定できます。光源に632.8 nmのHe-Neレーザーを用い、示差方式によってわずかな屈折率差を検出します。ミセルのdn/dc測定を通じて、質量平均分子量や組成解析に役立ち、光散乱法と併用することで精度の高い構造解析が可能です。
示差屈折計 RM‑102
示差屈折の原理
回転式の粘度測定装置で、液体や分散系の流動特性やせん断応答の評価に用いられます。一定速度でスピンドルを回転させ、得られるトルクから粘度を高精度に算出します。本装置は、広い粘度領域に対応可能で、回転速度や温度の制御機能も備えており、粘度の温度依存性や非ニュートン特性の評価が可能です。ミセル溶液のレオロジー特性の測定に加え、非イオン界面活性剤水溶液の曇点の測定にも活用しています。
B型粘度計 Brookfield DV2T
粘度計の原理
分散系の安定性(沈降、浮上、凝集、凝沈など)を非破壊的かつリアルタイムで評価する装置です。試料に対して近赤外光(880 nm)を照射し、透過光および後方散乱光の強度分布をサンプル高さ方向にわたって測定することで、分散状態の微小な変化を高感度に検出します。界面活性剤を用いたエマルション、サスペンション、泡の安定性解析に有効で、分散系の経時変化を定量的に可視化できるため、製剤設計や物性評価に広く活用しています。
Turbiscan Tower
タービスキャンの原理
高圧力(最大100 MPa)を利用して液体中の粒子や液滴を微細化・均質化する装置です。剪断力・キャビテーション・衝突力によって微粒化が促進され、リン脂質からなるリポソームの調製や界面活性剤を用いたナノエマルションの形成、また微粒子分散系の安定性評価前の均質化処理など幅広い目的で活用しています。
高圧ホモジナイザー LAB1000
高圧ホモジナイザーの原理
試料の分散、乳化、細胞破砕などを目的に、複数のホモジナイザーを用途に応じて使い分けています。ローターステーター型ホモジナイザー(左:IKA社 ULTRA-TURRAX):高速回転するローターと固定ステーターの間で強力な剪断を発生させ、粗大粒子の分散やエマルションの調製に用いられます。粘度の高い試料にも対応可能です。超音波ホモジナイザー(右上:Qsonica社、Branson社):高周波の超音波振動により、キャビテーションを生じさせて微細構造を破砕・均質化します。試料の種類や目的に応じて適切な機器を選択し、再現性の高い分散系の構築や構造制御に活用しています。
各種ホモジナイザー装置
超音波・ローターステーター型ホモジナイザーの原理
明視野および偏光観察に対応した顕微鏡で、エマルションや液晶、コロイド分散系の微細構造観察に使用しています。偏光板により、液晶の異方性構造や配向状態を可視化でき、相転移や配向変化の解析に有効です。温度可変ステージ(ジャパンハイテック社製)を併用することで、温度変化に伴う相挙動のその場観察も可能です。明視野では、ミセルやリポソームなどの粒径・分散状態の観察と定量評価を行っています。
OLYMPUS BX53と冷却加熱せん断ステージ
光学・偏光顕微鏡の原理
水溶液の電気伝導度を高精度で測定する装置で、界面活性剤やイオン性分散系の導電性評価や臨界ミセル濃度(CMC)判定に活用しています。CM-30Rは電気伝導度専用モデル、MM-60RはpH・イオン濃度・溶存酸素(DO)などにも対応した多機能モデルです。温度補正機能や各種セルとの互換性により、希薄溶液から高濃度試料まで幅広い測定が可能です。
電気伝導度CM-30R/多機能イオメーターMM-60R
電気伝導度の原理
密度および比重の簡便かつ迅速な測定が可能な携帯型密度計です。わずかな試料量で測定でき、温度補正機能も備えており、界面活性剤水溶液の濃度管理・組成解析に活用しています。
密度計DMA™ 35 Basic
密度計の原理
温度変化に伴う試料の質量変化(TG)および熱的挙動(DTA)を同時に測定する装置で、主に界面活性剤や高分子、複合材料の熱安定性や分解挙動の評価に使用しています。吸熱・発熱反応の解析や残渣の確認、脱水・脱離挙動の定量にも有効で、熱的特性と構造変化の関連解析に活用しています。
TG-DTA装置DTG-60
TG-DTAの原理
温度変化に伴う熱の吸収・放出を高感度で測定する装置で、界面活性剤や高分子、脂質系材料の相転移温度や熱挙動の解析に使用しています。融解、ガラス転移、結晶化、熱分解などの吸熱・発熱イベントを検出し、構造変化や熱的安定性の評価が可能です。研究室では、イオン液体の融点の精密測定にも活用しており、少量試料による熱分析において汎用的に用いています。
DSC装置DSC-50
DSCの原理
微量金属元素の濃度を高感度に定量する装置で、ガリウム、金、セシウム、亜鉛、銅などの金属イオンを元素ごとの特定波長で測定します。フレーム原子化方式により、試料中の金属を気化・励起させ、その吸光度から濃度を定量します。当研究室では、泡沫分離やイオン液体による抽出によって濃縮・分離した金属イオンの定量分析に活用しており、界面活性剤と金属の相互作用解析や、微量成分の分離挙動の評価などにも応用しています。
原子吸光分光光度計装置200 Series AA
原子吸光分光法の原理
溶液中の分子や粒子の吸光度スペクトル(UV–Vis)を測定する装置で、主に界面活性剤の吸光特性評価、濁度測定、構造変化のモニタリングに使用しています。温度循環型セルホルダーを搭載しており、温度依存性のスペクトル変化や相転移挙動の観察にも対応可能です。臨界ミセル濃度(CMC)の評価、色素や蛍光プローブの吸収変化の解析、会合状態のスペクトル変化の追跡など、分子集合系の精密解析に活用しています。試料室を窒素ガスで満たすことにより、低温からのクラフト温度および曇点測定にも用いています。
紫外可視分光光度計装置U-3010
紫外可視分光法の原理
微量成分の定量や環境応答の高感度検出に用いる装置で、試料に励起光を照射し、発せられる蛍光スペクトルを解析します。研究室では、界面活性剤のミセル形成挙動やCMC(臨界ミセル濃度)の評価、ミセル内部の極性解析に広く利用しています。とくに、蛍光プローブとしてピレンを添加し、I₁/I₃比(第1・第3バンドの強度比)を指標とする蛍光消光法を用いることで、ミセル内部の微小環境変化や疎水性の定量評価を行っています。
蛍光分光光度計装置F-2500
蛍光分光法の原理
赤外領域の吸収スペクトルを測定する装置で、分子の振動モードから官能基や分子構造を解析します。当研究室では、界面活性剤と他成分(高分子・金属・イオン性物質など)との相互作用解析や、新規合成化合物の構造同定に活用しています。吸収ピークのシフトや強度変化を通じて、水素結合、疎水相互作用、構造変化の評価が可能で、ソフトマター系の化学的特徴の理解に役立てています。
フーリエ変換赤外分光光度計装置FTIR-8300
フーリエ変換赤外分光法の原理
イオン交換、活性炭ろ過、UV酸化、0.22 µmフィルターを組み合わせた多段精製により、高純度の超純水(Type I)および純水(Type II)を製造する装置です。最終水質は、比抵抗18.2 MΩ cm、TOC(全有機炭素)5 ppb以下の高い水準を満たしており、表面張力をはじめとしたさまざまな測定のための試料調製などに幅広く使用しています。
超純水製造装置Direct-Q® 3 UV
超純水製造装置(Direct-Q® 3 Uの原理
水の電気分解により高純度の水素ガス(H₂)を連続的に発生させる装置で、不飽和結合の水素化による飽和化反応や重水素化反応、触媒活性の評価などに使用しています。ボンベを用いずに水素ガスを安全に供給できるため、有機合成や材料反応におけるガス管理の簡便化と安全性の向上に貢献しています。
水素ガス発生装置OPGU-7200
水素ガス発生の原理
界面活性剤を含む水溶液、乳化系などの試料を高速回転により分離・分画するための装置です。合成後の精製操作にも使用しています。温度制御機能を備え、測定・合成の両工程で活用しています。
遠心分離機KUBOTA 3740
遠心分離の原理
試料を凍結状態のまま昇華乾燥させることで、熱に不安定な物質を穏やかに乾燥させるための装置です。界面活性剤の水溶液の凍結乾燥や合成後の試料の保存性向上・粉末化処理に活用しています。
凍結乾燥機DC400
凍結乾燥の原理
低圧(真空)環境下で加熱乾燥を行うことにより、酸化を避けながら試料中の水分や溶媒を効率的に除去するための装置です。合成後の界面活性剤の乾燥、溶媒除去に加え、吸湿性の高い試料の安定保管前処理としても活用しています。
真空乾燥機ADP200
真空乾燥の原理
水道水を加熱・蒸留することで高純度の蒸留水を自動的に供給する装置です。合成・精製の器具の洗浄など、日常的な実験操作における汎用純水源として使用しています。
蒸留水製造装置WS220
蒸留水製造の原理
PC接続型のズーム式USB顕微鏡で、倍率調整(最大約200倍)とLED照明により、簡便かつ高解像で明視野観察が可能です。主に泡構造の形成・安定性・崩壊挙動の観察と記録に使用しており、泡の大きさ、分布、形状変化を定性的・定量的に評価できます。
デジタル顕微鏡YDZ-3S
マイクロスコープの原理
試料や分析装置を一定温度に保つための高精度な温度制御装置です。冷却・加熱の両機能を備えており、表面張力計やDLSなど、温度制御が必要な各種装置に接続して使用しています。界面活性剤水溶液の温度依存性の評価、ミセルや会合体の形成挙動の解析、可溶化量の測定など、温度条件が重要な物理化学実験に不可欠な機器です。温度制御が必要な各種装置に接続して使用する循環恒温槽を10台以上保有しています。
循環恒温槽Alpha RA8
循環恒温槽の原理
界面活性剤を含む水溶液中での泡生成挙動や泡構造の観察を目的に、研究室で独自に設計・組み立てた泡沫発生装置です。気体導入・液供給・泡採取の流路制御が可能で、泡の形成・持続性・破裂挙動の定量的な評価や、泡沫分離法による金属イオンや有機成分の濃縮・分離挙動の研究に用いています。また、マイクロスコープ(ズーム式USBデジタル顕微鏡)との組み合わせにより、泡の物理特性の多面的評価を可能としています。
泡沫発生セル
泡沫発生の原理
Wilhelmy法およびDu Noüy法による液体の表面張力・界面張力の測定が可能な古い装置です。天秤機構により、リングまたはプレートを介して液面からの引き上げ力を測定し、張力値を算出します。天秤機構とデジタル表示系を備えた設計は、当時の代表的な測定スタイルを反映しており、適切に調整すれば、再現性の高い定量データの取得も可能です。
表面張力計 CBVP-A3
Wilhelmy法およびDu Noüy法による表面張力の原理