講義コード 3311720
開設科目名 量子化学b
担当教員(クリックでオフィスアワー) 竹 内 孝 江
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 前期 水曜日 3・4時限
授業方法 講義
対象学生 3回生
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
量子化学は現代化学の基礎である。本講義は化学科3回生を対象に開講する。物理化学通論3(物理化学通論Ⅱ)に引き続いて、分子の構造や性質、化学反応性を理解する上で基本となる電子状態理論について講義する。分子の結合性や安定性、反応性などを理解するための理論的方法として、主に分子軌道(MO)法を講義する。分光遷移の選択律を導いたり、分子が双極子モーメントをもっているかどうか、分子振動から赤外スペクトルが生じるかどうかを予測するのに有用な分子の対称性(群論)について簡単に解説する。
学習・教育目標
分子の構造や性質、化学反応性を理解する上で基本となる電子状態理論について講義する。量子力学の基礎と原理を理解し、分子構造や化学反応性などの化学の問題を量子力学的に理解する。波動関数を使って、化学現象がなぜ起こるかを理解する。
キーワード
電子状態理論、Born-Oppenheimer近似、シュレーディンガー方程式、原子価結合法、分子軌道法、群論
授業計画
1.分子構造(第1~9回)
・Bprn-Oppenheimer近似(第1回)
・原子価結合法(第1~2回)(水素分子、等核2原子分子)
空間波動関数、スピン波動関数、混成
 ・分子軌道法(第3~9回)(等核2原子分子、異核2原子分子、
共役π電子系化合物、芳香族化合物)
    LCAO-MO近似、結合オービタルと反結合オービタル、変分原理、
    結合次数と重なり積分、σオービタルとπオービタル、パリティ、
    項の記号、部分電荷、極性結合、電気陰性度、Walsh図
    ヒュッケル近似--ヒュッケルMO(HMO)法(経験的分子軌道法)
永年行列式、π電子結合エネルギー、芳香族安定性
    半経験的分子軌道とab initio分子軌道法
 ・固体のバンド理論(第10回)
2.分子の対称(第11~14回)
対称操作と対称要素、分子の対称による分類
 積分の消滅とオービタルの重なり、積分の消滅と選択律
期末テスト(第15回)

        
教科書
1. 「物理化学(上)」第6版 14・15章 アトキンス 東京化学同人
参考書
1. 「物理化学 分子論的アプローチ」(上巻) マッカーリ・サイモン著 千原・江口・斎藤訳 東京化学同人
2. 量子化学のすすめ 西本吉助 化学同人
3. 量子化学 細矢治夫 サイエンス社
成績評価方法
筆記試験、レポート、授業への参加度などを総合的に評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
801010
※成績評価割合の
教員独自項目
参考ホームページ
備考
化学科物理化学系講義課目(基本選択科目)。物理化学通論、理学部共通専門科目の数学・物理学関係の科目を予め履修しておいてほしい。自分で数式を導いたり、問題を解くことを通して量子化学の考え方を身につけて欲しい。連絡先:C棟3階C317室。
参考書追加:「量子化学入門」(上、下)米沢、永田、加藤、今村、猪熊 化学同人;「物理化学(上)」第8版 アトキンス 東京化学同人 11~12章
更新日付 2009/01/26 16:02:43