講義コード 3311710
開設科目名 量子化学a
担当教員(クリックでオフィスアワー) 太 田 靖 人
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 月曜日 5・6時限
授業方法 講義
対象学生 2回生
単位数 2.0
週時間



授業の概要
本講義は化学科2回生を対象に開講する。物理化学通論Ⅱの内容を分子系に拡張し、量子力学に基礎をおいた電子状態理論によってどのように分子の構造が記述され、分子の性質を理解することができるかについて講義する。分子構造を理解するための道具として有用なσ結合、π結合、混成等の概念や,理論計算法として有用な分子軌道(MO)法による分子系の記述について解説する。
学習・教育目標
物理化学通論Ⅱに続いて量子力学の基礎と原理を理解し,それに基づく電子状態の記述方法を習得する。分子軌道の形やエネルギーを求め,分子の性質や安定性などの化学の問題を量子化学的に考察できるようになる。
キーワード
Born-Oppenheimer 近似,Schroedinger方程式,原子価結合法,分子軌道法,ヒュッケル近似
授業計画
【第1回】Born-Oppenheimer 近似 電子の運動と原子核の運動
【第2回】原子価結合法(1)  水素分子、  空間波動関数の構築、 σ結合
【第3回】原子価結合法(2)  等角二原子分子、 π結合
【第4回】原子価結合法(3)  多原子分子、 昇位、 混成
【第5回】分子軌道法(1)水素分子イオン、 分子オービタルの概念
【第6回】分子軌道法(2)原子オービタルの一次結合、 結合オービタル、 反結合オービタル
【第7回】分子軌道法(3)等角二原子分子の構造、 結合次数による結合強度の見積もり
【第8回】分子軌道法(4)πオービタルの特徴、 重なり積分
【第9回】分子軌道法(5)異核二原子分子における極性結合、 電気陰性度
【第10回】分子軌道法(6)変分原理 試行波動関数、 永年行列式
【第11回】分子軌道法(7)多原子分子の分子オービタル ウォルシュ図による分子構造の理解
【第12回】ヒュッケル近似(1)共役分子、永年行列式
【第13回】ヒュッケル近似(2)ブタジエンとπ電子結合エネルギー、非局在化エネルギー
【第14回】ヒュッケル近似(3)ベンゼンと芳香族安定性、最高被占分子オービタル、最低空分子オービタル
【第15回】期末テスト
教科書
1. 「物理化学(上)」第8版 第11章 アトキンス 東京化学同人
参考書
1. 量子化学(上) 原田義也 裳華房
2. 量子化学 大野公一 岩波書店
3. 初等量子化学 大岩正芳 化学同人
成績評価方法
授業への参加度と筆記試験およびレポートなどを総合的に評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
701515
※成績評価割合の
教員独自項目
参考ホームページ
備考
化学科物理化学系講義科目(選択科目B)。物理化学通論Ⅱ,理学部共通専門科目の数学・物理学関係の科目を予め履修しておいてほしい。自分で数式を導いたり,問題を解くことを通して量子化学の考え方を身につけて欲しい。授業の前になるべく予習をしてきて欲しい。
更新日付 2009/01/29 23:02:18