授業の概要 | 現代の生命科学は、生物学上の諸現象を、タンパク質、酵素、遺伝子(核酸)など生体物質の化学的、および物理的性質をもとに説明するばかりでなく、より積極的にこれらの物質に化学的な操作を施すことによって生命現象を試験管の中で再現し、さらにそうした研究の成果は人々の健康維持・管理、医薬品の製造や医療に利用できるまでに発展している。本講義では、生命科学の研究に欠かせない糖、アミノ酸、リボ核酸(ヌクレオチド)、ビタミンなど低分子の生体物質の基本的な化学的性質や構造的特徴について解説するとともに、タンパク質や核酸の構造と生理学的機能、酵素の構造と化学的な触媒機能の関連などについて説明する。 | |
学習・教育目標 | 生命現象に直結するタンパク質の構造と機能、DNA による遺伝情報の保存と複製、酵素の触媒作用などを有機化学の立場から理解する。また、有機化学が生化学など生命科学の基礎学問として非常に重要であることを認識したい。 | |
キーワード | アミノ酸、糖、リボ核酸、タンパク質、酵素、補酵素、DNA、RNA、生体高分子 | |
授業計画 | 第1回 糖の化学1:糖および糖の誘導体(特にグリコシド)の化学的性質 第2回 糖の化学2:糖および糖の誘導体の立体構造 第3回 多糖類の構造と機能 第4回 ヘテロ環化合物:ビタミン、アルカロイドなど天然有機化合物の構造と生理作用 第5回 アミノ酸の化学1:アミノ酸の化学的性質と合成 第6回 アミノ酸の化学2:ペプチドの化学的合成法 第7回 タンパク質のアミノ酸配列決定法 第8回 タンパク質の立体構造とその解析法(X線結晶解析、NMR、質量分析) 第9回 酵素の化学(基質の認識と触媒反応機構) 第10回 タンパク質の構造と機能(リゾチーム、リボ核酸分解酵素、セリンプロテアーゼ) 第11回 ヌクレオシドとヌクレオチドの化学 第12回 デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)の塩基配列決定法 第13回 デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)の化学合成 第14回 DNAとRNAの構造と遺伝子としての機能 第15回 タンパク質の生合成とDNA・RNAとの相互作用 | |
教科書 | |
参考書 | 1. | 必要に応じて資料を配布するほか、講義中に適宜紹介する。 | |
成績評価方法 | 小試験(時期未定)と最終試験(第15回)の成績を1:2の割合で組み合わせて評価する。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 67 | 33 | | | | | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
備考 | 化学科有機化学系講義科目(選択科目B群) 授業が終わった後、講義の内容について関連する専門書を参照して理解をより深めること。 | |
更新日付 | 2012/05/15 11:09:38 |