研究概要

ナノ物質の自己組織化ダイナミクス

私たちの研究室ではナノチューブやフラーレン、グラフェンといった低次元ナノ分子系を主な研究対象としています。これらの分子の秩序立った構造が、秩序性の低い分子あるいは分子集団から自発的に形成されるメカニズムをコンピュータシミュレーションを通じて解明することを目指しています。シミュレーションでは、量子化学計算と分子動力学法を結合させた量子化学分子動力学法を計算手法の基軸とし、原子レベルで反応ダイナミクスの実時間追跡を行います。最近の研究としては、窒素とホウ素が交互に結合してできたかご状分子である窒化ホウ素フラーレンの生成機構に関する研究やグラフェン内に存在する格子欠陥の転移機構の解析を、新しい理論計算の開発とともに精力的に行っています。

BNcage

高温環境(2000K)下でホウ素クラスターに窒素を供給し、かご状の窒化ホウ素クラスターが形成される過程