講義コード 3310500
開設科目名 反応速度論
担当教員 吉村 倫一
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 火曜日 7・8時限 A201
授業方法 講義
対象学生 3回生
単位数 2
週時間 2



授業の概要
化学反応論は,時間の関数で物質の化学変化の速度やそのメカニズムを研究対象とする学問である。本講義では,まず化学反応がどの程度まで進行し,どのような速度で進行するかについて解説し,さらに種々の反応の反応機構,反応速度と熱力学パラメーターの関係,衝突理論,遷移状態理論について解説する。講義内容の理解を深めるために演習問題や教科書の章末問題のレポートを課す。
学習・教育目標
化学反応速度論の基礎的な解釈ならびに理論を理解する。また,単純な反応系において反応を定量的に解析できるようになるとともに,反応分子の構造やエネルギーが実測される反応速度にどのように反映されるかを理解する。
キーワード
反応速度式,速度定数,半減期,アレニウス式,活性化エネルギー,複合反応,定常状態近似,緩和法,酵素反応,衝突理論,遷移状態理論
授業計画
【第1回】序論:熱力学による平衡論と分子運動による反応速度論について,
     講義で使用する微分・積分
【第2回】化学反応速度:実験・測定法,反応速度の定義,速度式,速度定数,
     反応次数,速度式の決定法
【第3回】積分形速度式:1次反応,2次反応,n次反応,半減期
【第4回】複合反応:可逆反応,競争反応
【第5回】緩和法:緩和時間,温度・圧力ジャンプ法
【第6回】反応速度の温度依存性:アレニウス式,アレニウスパラメーター
【第7回】第1~6回の達成度確認試験・まとめ
【第8回】速度式の解釈1:素反応,逐次反応(律速段階,定常状態近似),
     前駆平衡
【第9回】速度式の解釈2:リンデマン機構,複合反応の活性化エネルギー
【第10回】複雑な反応の速度:連鎖反応,爆発反応
【第11回】均一系触媒作用:触媒反応,酵素反応,ミカエリス-メンテン機構,
     酵素の阻害
【第12回】光化学反応:量子収量,ステルン-フォルマーの式
【第13回】反応性の出会い:衝突理論,拡散律速の反応
【第14回】遷移状態理論:アイリングの式,活性化パラメーター,
     反応速度と熱力学パラメーターの関係
【第15回】固体表面の反応速度:物理吸着と化学吸着,表面被覆率,
     ラングミュアの吸着等温式
教科書
1. アトキンス「物理化学(下)第8版」 千原ら訳 東京化学同人 2009
参考書
1. はじめての化学反応論 土屋荘次 岩波書店 2003
2. マッカーリ・サイモン「物理化学(下)」 千原ら訳 東京化学同人 2000
成績評価方法
成績は,試験,レポート(演習問題,教科書の章末問題),出席・参加状況を総合して評価する。。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
805510
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科物理化学系講義科目(選択科目B群)。講義中に配布する演習プリント,指定する教科書の章末の演習問題を復習として必ず解くこと。連絡先:C棟3階C311室
更新日付 2012/05/15 11:09:36