講義コード 3309400
開設科目名 化学熱力学
担当教員 吉村 倫一
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 木曜日 3・4時限 A202
授業方法 講義
対象学生 2回生
単位数 2
週時間 2



授業の概要
化学熱力学は,エネルギーとエントロピーの二つの概念を駆使して,物質の種々の性質と変化を探求する学問である。本講義では,まず熱力学の基本法則から誘導された自由エネルギーについて解説し,さらに液体ならびに溶液に対して熱力学を適用して,相平衡,化学ポテンシャル,束一的性質などを講義する。講義内容の理解を深めるために演習問題や教科書の章末問題のレポートを課す。
学習・教育目標
熱力学の基礎的概念を,熱力学が重要な役割を果たしている分野での様々な系に応用できるようになることを目標とする。
キーワード
ギブズエネルギー,熱力学関係式,相図,相律,クラウジウス-クラペイロンの式,部分モル量,ラウールの法則,ヘンリーの法則,束一的性質,化学平衡,ルシャトリエの原理
授業計画
【第1回】ヘルムホルツエネルギーとギブズエネルギー
【第2回】第一法則と第二法則の結合:マクスウェルの関係式
【第3回】熱力学的状態方程式
【第4回】ギブズエネルギーの温度および圧力依存性:ギブズ-ヘルムホルツの式
【第5回】純物質の相図(圧力と温度の状態図):代表的な物質の例,系の自由度とギブズの相律
【第6回】2成分系混合物の相図:液体-蒸気系,液体-液体系,液体-固体系
【第7回】純物質の2相間の平衡:クラペイロンの式,クラウジウス-クラペイロンの式
【第8回】第1~7回の達成度確認試験・まとめ
【第9回】混合物の熱力学:部分モル量,化学ポテンシャルの導入,ギブズ-デュエムの式
【第10回】理想気体,理想混合気体の化学ポテンシャル:混合ギブズエネルギー
【第11回】理想溶液の化学ポテンシャル:ラウールの法則,ヘンリーの法則
【第12回】束一的性質:蒸気圧降下,沸点上昇,凝固点降下,浸透圧
【第13回】非理想溶液:活量,正則溶液
【第14回】化学平衡:平衡定数
【第15回】平衡に対する圧力と温度の影響:ルシャトリエの原理,ファントホフの式
教科書
1. アトキンス「物理化学(上)第8版」 千原ら訳 東京化学同人 2009
参考書
1. 化学熱力学 基本の考え方15章 中田宗隆 東京化学同人 2012
2. 物理化学入門シリーズ 化学熱力学 原田義也 裳華房 2012
3. 物理化学 田中一義・田中庸裕 丸善 2010
成績評価方法
成績は,試験,レポート(演習問題,教科書の章末問題),出席・参加状況を総合して評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
805510
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科物理化学系講義科目(選択科目A群)。講義中に配布する演習プリント,指定する教科書の章末の演習問題を復習として必ず解くこと。物理化学通論Iを履修していることが望ましい。連絡先:C棟3階C311室
更新日付 2012/05/15 11:09:34