授業の概要 | 物質を多数個の原子・分子から成る分子集団と捉え、その物性を説明する理論体系である統計熱力学の基礎を講述する。個々の原子・分子の古典力学の原理から始め、集団の熱力学的性質が発現する機構を理解せしめる。分子集団の静的性質を記述する諸関数と動的性質を記述する言語、さらにそれらの基礎となる理論の考え方を平明に講述する。 | |
学習・教育目標 | 物質の物性を基本原理から演繹的に導く理論や考え方を知り、それによって物質の性質に対する論理的、演繹的な理解を身につける。それを通じて物質の性質の発現のメカニズムや原理自体をより深く理解できるようになればよい。 | |
キーワード | 化学統計力学、化学熱力学、古典力学、経路積分、分布関数理論、ランダムウォーク | |
授業計画 | 第1回 古典力学の原理・ハミルトン形式による古典力学の記述 第2回 Maxwell-Boltzmann分布 第3回 分布関数について 第4回 酔歩と拡散過程 第5回 ブラウン運動とマルコフ過程 第6回 可逆性と不可逆性およびBoltzmannのH定理 第7回 時間相関関数とパワースペクトル 第8回 パワースペクトル・ゆらぎについて 第9回 量子性の導入について(酔歩と干渉性) 第10回 経路積分法の考え方(シュレディンガー方程式を用いない量子論の考え方) 第11回 経路積分法の考え方(続き) 第12回 分子集団に対する量子性の導入 第13回 物質における量子性発現の例(低温物質) 第14回 物質における量子性発現の例(プロトンの関与する現象・DNA転写過程における突然変異) 第15回 総括 | |
教科書 | |
参考書 | |
成績評価方法 | 出席とレポートを総合して評価する。レポートは講義内容に基づく平明な課題。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | | 50 | 50 | | | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
他専攻(複合コース等) の学生の問い合わせ方法 | |
備考 | 本特論は, 日本語による講義を理解することが困難な化学専攻に在籍する外国人学生のために特別に開講する科目である。講義は英語で行われる。当該学生は, 奈良女子大学大学院人間文化研究科規程別表1に記載されている化学専攻科目のうち, 「分子統計論」と同じ内容の講義が行われる。本科目受講者希望者は, 事前に化学専攻長に申し出ること。 | |
更新日付 | 2011/05/13 13:31:43 |