授業の概要 | 量子力学は電子、原子、分子などミクロな物質を対象にした学問であり、古典力学では説明できない現象を説明することができる。化学においても分子の構造や反応を理解する上で大変有用な学問である。本講義では量子力学の基本概念である波動関数や量子化などについて説明し、微視的な世界の粒子の運動が、量子力学によってどのように記述されるか解説する。 | |
学習・教育目標 | 演算子や固有関数、期待値、重ね合わせの原理など量子力学にとって重要な概念を理解し,簡単なモデルを通じて、原子や分子の電子状態の構造を理解する。 | |
キーワード | シュレーディンガー方程式、波動関数、演算子、固有値、量子化、変数分離、重ね合わせの原理 | |
授業計画 | 第1回 量子力学の起源 第2回 電磁波のエネルギー密度 第3回 波と粒子の二重性 第4回 演算子と固有値方程式 第5回 複素数と複素平面 第6回 シュレーディンガー方程式: 波動関数、確率密度 第7回 一次元の箱の中の粒子(1) シュレディンガー方程式の解き方 第8回 一次元の箱の中の粒子(2) 粒子の運動に対する量子論的描像 第9回 一次元の箱の中の粒子(3) π電子系への応用 第10回 期待値の計算 第11回 重ね合わせの原理 第12回 不確定性原理 第13回 調和振動子: 解の性質と対応原理 第14回 二次元の箱の中の粒子 第15回 三次元の箱の中の粒子 | |
教科書 | 1. | 「物理化学(上)」第8版 アトキンス 東京化学同人 | |
参考書 | 1. | 物理化学 分子論的アプローチ(上) マッカーリ・サイモン 東京化学同人 | 2. | 量子化学(上) 原田義也 裳華房 | 3. | 量子力学Ⅰ 原田勲・杉山忠男 講談社 | |
成績評価方法 | 授業への参加度と筆記試験およびレポートなどを総合的に評価する。下の割合はおよその目安である。必ずしも厳密な数値ではない。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 70 | 15 | 10 | | | 5 | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
備考 | 化学科物理化学系講義科目(必修科目)。理学部共通専門科目の数学・物理学関係の科目を予め履修しておいてほしい。物理化学はなかなか身につきにくい学問分野である。試験直前だけ集中して詰め込み型の勉強をするのではなく、普段から講義の内容を復習し、じっくり考えて本質を理解するようにしてほしい。 | |
更新日付 | 2010/06/01 12:43:19 |