講義コード 3312340
開設科目名 化学キャリアセミナーⅠ
担当教員 菅沼 薫
岡本 亨
玉田 薫
教員所属 非常勤講師
開講期・曜日・時限・教室 後期集中 その他 その他 その他
授業方法 講義
対象学生 1回生~4回生
単位数 1.0
週時間 (15)



授業の概要
 本講義では、学術や実社会の第一線で活躍されている3人の講師の先生に、ご自分の研究や仕事またそれに関連する分野について、経験等を含め講義していただく。その話の聴講によって化学科学生が自己の将来や現在の勉学の意義を考えるヒントにする。
学習・教育目標
 他の化学科専門科目では純粋に化学の内容を学ぶが、本科目は、現在学んでいる化学がどのように自分自身の将来の進路、ライフステージ、実社会での生活に結びついているのかという点について、その考えるヒントとなりうる話を講義するものである。実際に本学化学科で4年間化学を学んだ後に来る、就職や大学院への進学、そしてその後の女性としてのライフステージを考えるとき、純粋に学問としての化学を学ぶだけでなくこういった現実的な観点を考えることも必要であろう。本講義では毎年度、学術にとどまらず産業界や公的研究機関で化学に関連した分野で活躍されている方を3名お招きし、社会での仕事の最前線やキャリアライフの話を聞く。招聘する講師の先生の中には女性の先輩も含まれる。これにより、1~4回生までの全学年の化学科の学生がその将来のキャリアを化学をもとに考える糸口を探るきっかけとする。
キーワード
(菅沼)化粧品開発、性能評価、官能評価、ドレンドウオッチ、感性、ブレインサイクル
(岡本)乳化、分散、レオロジー、光学特性、感性・感覚、品質保証
(玉田)ナノ材料、自己組織化、表面 、プラズモン共鳴、バイオセンシング、異分野融合研究
授業計画
1.「美と健康のための商品開発への取組み方」 担当:菅沼薫((株)エフシージー総合研究所 取締役・暮らしの科学部長(フジテレビ商品研究所)、(本学生活環境学部OG))
 社会で求められる、知能や考える力を養い伸ばす講義にしたいと思っている。化粧品や食品、美容機器などの試験から得られた知見を元に、「美と健康のサイエンス」、「トレンドウオッチ:現代女性の意識と化粧」、「心に響く商品情報」、「メイクアップの法則」などの講義を行なう。女性科学者ならではの研究意識や感性と、それを社会で活かせる能力を身につけてほしい。

2.「化粧品のもの作りと基礎研究の関わり」 担当: 岡本亨(株式会社資生堂スキンケア研究開発センター応用研究グループリーダー)
 化粧品には、皮膚や毛髪を健やかに保つ、皮膚や毛髪を清潔に保つ、紫外線や乾燥から身体を防御する、肌や毛髪を美しく彩るなど多彩な機能が求められ、多くの素材や技術が開発されている。これらを実現するために、水溶性成分や油溶性成分、粉末など、互いに溶解しない物質を上手く混合する技術が必要であり、さらに使い心地や使い勝手に優れ、安全性や安定性が十分に保証されていることが求められる。本講義では、お客さまに満足いただく化粧品のもの作りの基礎となる研究事例を紹介し、化粧品開発の成り立ちを理解いただくとともに、エビデンスに基づいた化粧品開発の重要性を示したい。

3.「異分野融合研究への挑戦」 担当: 玉田薫(東北大学電気通信研究所教授、(本学化学科OG))
 指輪などアクセサリーに使われる金や銀などの貴金属、ナノサイズ(10億分の1メートル)にすると性質が大きく変わる。教会の窓ガラスで有名なステンドグラスの鮮やかな色は金属ナノ微粒子で作られているが、この色の源が表面プラズモン共鳴と言われる現象である。最先端のプラズモニクスおよびナノ材料に関する科学の話から、これら異分野融合研究(化学~物理~生物~情報通信)のおもしろさについて紹介する。研究においても生活においても、ひとつの考えに固執せず、異なるものもすべて受け入れ,吸収し、成長していく--- それにより将来の可能性が無限に広がる。講義では女性のキャリアアップについてもあわせて紹介したい。
教科書
1. 特になし
参考書
1. 必要に応じ、講義中に適宜紹介される。
成績評価方法
出席状況とレポートなどで総合的に評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
05050
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科共通系特別科目。本年度入学1回生は必修(4回生までに毎年開講される化学キャリアセミナーI~IVのうち2科目以上の単位を取得することが必要)。2~4回生は化学科選択科目であるが、できるだけ受講することが望ましい。
化学科担当教員・連絡先:教務
講義は、1回の時数5時間で3回にわけて行う。原則水曜日の午後を予定している。
更新日付 2010/01/05 18:06:37