講義コード 3311700
開設科目名 量子化学
担当教員 太田 靖人
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 水曜日 3・4時限 A201
授業方法 講義
対象学生 2回生
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
物理化学通論Ⅱで考えた二次元の回転運動モデルを三次元に拡張し、球面上の粒子の運動について考察する。このモデルで得られる知識をもとに、最も単純な実在系である水素原子の取り扱いについて考える。いくつかの基礎的な物理数学によって水素原子の電子状態関数が自然に求められることを説明する。後半は量子力学に基礎をおいた電子状態理論によってどのように多電子原子や分子の性質を理解することができるかについて講義する。
学習・教育目標
物理化学通論Ⅱに続いて量子力学の基礎と原理を理解し,それに基づく電子状態の記述方法を習得する。分子軌道の形やエネルギーを求め,分子の構造や反応性などを量子化学的な観点から考察できるようになる。
キーワード
電子と原子核、 球面調和関数,動径波動関数,オービタル近似、分子軌道法,ヒュッケル近似
授業計画
第1回 球面上の粒子の運動 (1)球面調和関数
第2回 球面上の粒子の運動 (2)極座標グラフの書き方
第3回 電子と原子核のクーロン相互作用
第4回 水素型原子(1) 有効ポテンシャル、遠心力ポテンシャル
第5回 水素型原子(2) 極限領域における動径波動関数の形
第6回 水素型原子(3) 級数解法による動径波動関数の解法
第7回 水素型原子(4) 固有関数の導出
第8回 多電子原子(1)オービタル近似、パウリの原理、スピン、遮蔽
第9回 多電子原子(2)フントの規則、構成原理、イオン化エネルギー
第10回 原子価結合法  σ結合、π結合、昇位、混成
第11回 分子軌道法(1)原子オービタルの一次結合、 結合オービタル、 反結合オービタル
第12回 分子軌道法(2)変分原理 試行波動関数、永年行列式
第13回 ヒュッケル近似(1)共役分子、クーロン積分、共鳴積分、非局在化エネルギー
第14回 ヒュッケル近似(2)環状分子、縮退した軌道の取り扱い
第15回 期末テスト
教科書
1. 「物理化学(上)」第8版 第11章 アトキンス 東京化学同人
参考書
1. 量子化学(上) 原田義也 裳華房
2. 量子化学 大野公一 岩波書店
3. 初等量子化学 大岩正芳 化学同人
成績評価方法
筆記試験、小テストおよびレポートなどを総合的に評価する。下の割合はおよその目安である。必ずしも厳密な数値ではない。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
7015105
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科物理化学系講義科目(選択科目A群)。物理化学通論Ⅱ,理学部共通専門科目の数学・物理学関係の科目を予め履修しておいてほしい。自分で数式を導いたり,問題を解くことを通して量子化学の考え方を身につけて欲しい。授業で習ったことはその週のうちに復習をして欲しい。
更新日付 2009/12/28 10:34:42