講義コード 3311600
開設科目名 有機反応論
担当教員 片岡 靖隆
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 木曜日 1・2時限 化学講義室
授業方法 講義
対象学生 4回生(3回生も可)
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
有機合成化学は、周期律表に存在するあらゆる金属を複合的に利用することによりめざましく発展した。しかし一般の教科書(有機化学通論の講義で使用してきたボルハルト・ショアーの「現代有機化学」など)では、金属錯体による合成反応を扱った項目は少なく、現在の有機化学がどのように発展してきたかを理解するには不充分である。そこで本講義では、これまで有機化学の基礎を体系的に勉強し基礎的な知識を修得している主に4年生後期の学生に対し、有機合成化学上重要である金属錯体を利用した反応、特にアルドール反応を中心をいくつか取り上げ(授業計画参照)、基礎的な事項(古典的な話、反応が見つかった経緯)からその応用(比較的最近のトピック)まで含めて解説する。
学習・教育目標
これまでの有機化学に関する基礎的な知識を発展させ、最先端の有機合成化学の研究を理解できるようになる。有機化学における選択性とは何か理解できるようになる。また、有機合成化学の面白さを理解し味わう。
キーワード
選択性(立体、官能基、位置)、遷移金属錯体、触媒、反応機構
授業計画
第1回   イントロダクション(授業内容についての説明)
第2回   アルドール反応とは
第3回   6員環遷移状態を経る反応(Evans型アルドール反応)
第4回   鎖状遷移状態を経る反応(Mukaiyama 型アルドール反応)
第5回   不斉アルドール反応への応用
     (光学活性エノラートを用いる反応)
第6回   不斉アルドール反応への応用
     (光学活性な触媒を用いる反応)
第7回   不斉アルドール反応への応用(Cram則による立体制御)
第8回   アルドール反応を鍵反応とする天然物合成
第9回   有機触媒によるアルドール反応
第10回  Grignard反応の復習
第11回  Grignard型反応とBarbier型反応の違い
第12回  クロム反応剤を用いた有機合成
第13回  Wittig型の反応(カルボニル化合物のアルキリデン化反応)
第14回  メタセシス反応
第15回  天然物の全合成反応を利用した有機化学の復習
教科書
1. なし プリントを配布する
参考書
1. 講義中に適宜紹介する。
成績評価方法
講義を真剣に聞き、その場で理解していただきたい。出席点とレポートにより評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
60400
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科有機化学系講義科目(応用選択科目)。学習歴や希望進路に応じて3年生も履修することができる。しかし、ある程度の有機化学の知識がないと理解するのは難しい。
更新日付 2010/01/06 18:51:28