講義コード 3310800
開設科目名 固体化学
担当教員 梶原 孝志
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 木曜日 3・4時限 A204
授業方法 講義
対象学生 3回生
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
我々を取り巻く様々な物質の性質や機能は,原子やイオン,分子,およびその集合体の“構造”と密接に関係づけられる。原子や分子が集合して形成される固体物質は,構成要素である原子や分子そのものとは異なる性質(物性)を示すことが知られている。このようにして生じる新物性や特異な反応性は,結晶中で構成要素が多次元的・周期的に配列したことにより現れるものである。本講義では原子やイオンが周期配列することで生じる“結晶軌道”と“バンド”に着目し,電気伝導性や磁気物性など固体化学の基礎を学んでいく。また,このような物質の構造,すなわち分子や原子の配列の解明に中心的な役割を果たすX線構造解析について基本原理と実際について述べる。
学習・教育目標
金属やイオン性結晶などの単純な固体の構造を理解するとともに,バンド理論の基礎を学ぶ。X線結晶構造解析において金属原子やイオンの大きさを決定したり,さらには,複雑な分子の三次元構造を明らかにする仕組みを学習する。また,それらの構造を背景に固体物質が持つ種々の物性(磁性・伝導性等)について具体例をもとに理解する。
キーワード
固体,金属,イオン固体,バンド理論,X線回折,磁性,伝導性
授業計画
以下の内容について講義を行う。
1) 固体の構造と性質に関する概説
 a. 分子固体,イオン固体,共有固体,金属固体
 b. 固体構造の基礎知識-単位格子と結晶構造
 c. バンドと結合
 d. 金属,絶縁体および半導体
2) バンド理論の基礎
 a. 一次元の結晶軌道
 b. 二次元・三次元のバンド構造
3) X線の散乱と回折
 a. 粉末法
 b. 結晶格子と空間群
 c. 単結晶X線回折
 d.X線解析から得られる情報
4)固体構造と電子物性
5)固体構造と磁性
教科書
1. シュライバー・アトキンス「無機化学」4版、3章 東京化学同人
2. アトキンス「物理化学」、21章 東京化学同人
参考書
1. 固体化学の基礎 S. E. Dann著,田中勝久訳 化学同人
2. 固体物理学入門 第8版〈上〉 C. Kittel著,宇野他訳 丸善
3. 固体の電子構造と化学 P. A. Cox著,魚崎他訳 技報堂出版
成績評価方法
出席状況・授業態度,レポート,筆記試験を総合して評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
6001000300
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科無機化学系講義科目(選択科目A群)
更新日付 2009/12/18 21:32:22