授業の概要 | 化学基礎実験1-3で修得した化学実験の基本操作や基礎知識を土台にして,化学専門実験1-3では,今後の化学研究に直結する,より専門的な化学実験を行う。本化学専門実験2では,有機化学分野に関連の深い課題を中心に履修する。受講生は3つのグループに分かれて,下記の4項目の課題を行う。 | |
学習・教育目標 | 有機化学実験の基礎的な手法を修得する。各項目における学習教育目標は以下のとおり。1.酸化還元反応・ベンゾイン縮合:酸化還元反応の実際を実験により修得する。多段階有機合成反応を体得する。2. Diels-Alder 反応・光化学反応:Diels-Alder 反応では軌道対称性の保存則(Woodward-Hoffmann則)を、光化学反応ではラジカル反応に伴うピナコールの生成とその酸触媒転位反応について学ぶ。3.Grignard 反応:Grignard反応を体得する。空気中で不安定な有機金属化合物の基本的実験操作を修得する。4.高分子の合成:高分子合成化学の基礎を体得する。ラジカル重合反応における基本的実験操作を修得する。 | |
キーワード | 酸化反応,還元反応,ベンゾイン縮合,カルボニル化合物,Diels-Alder反応,光化学反応,ピナコール転位,カルボカチオン Grignard反応,有機金属化合物,求核攻撃,カルボニル化合物 高分子合成,ラジカル重合,ビニルモノマー | |
授業計画 | 第1回 ガイダンス1:実験を始めるにあたっての注意事項 第2回 ガイダンス2:各実験テーマに関する説明 第3~10回 2回で下記の実験テーマ1つを行う。計8回。 1.酸化還元反応・ベンゾイン縮合(担当:三方) ベンズアルデヒドを出発原料にしたベンゾイン縮合と, アルコールの酸化およびケトンの還元反応を行う。 2.Diels-Alder反応・光化学反応(担当:中沢) Diels-Alder反応を行う。また光化学反応によるベンゾピナコールの合成を行う。 3.Grignard 反応(担当:浦) Grignard反応剤を用いて,エステルからアルコールへの変換反応を行う。 4.高分子の合成(担当:岩井) ビニルモノマーのラジカル重合反応による高分子合成を行う 第11,12回 実験レポートに関する総括(1回あたり2テーマ,計2回) | |
教科書 | 1. | 「化学専門実験1,2,3 実験テキスト(改訂版)」 奈良女子大学理学部化学科編集 | |
参考書 | 1. | 「第7版 実験を安全に行うために」「第3版 続実験を安全に行うために」 化学同人編集部編 化学同人 | 2. | 「安全の手引き」 奈良女子大学理学部編 | |
成績評価方法 | 出席状況,実験態度,各実験課題に対するレポートで評価する。 提出期限に遅れたレポートは受けとらない。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | | | | | | 100 | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | 出席状況,実験態度,各実験の課題に対するレポートの総合評価 | |
備考 | 化学科実験系科目(必修科目)。本科目の受講に際しては,白衣,保護メガネの着用と学生安全保険(学生教育研究災害傷害保険と学研災付帯賠償責任保険)への加入が義務づけられている。責任教員(三方)。 | |
更新日付 | 2009/12/19 14:06:15 |