授業の概要 | 1回生後期に履修した「化学基礎実験1」に続く化学の基礎実験として,様々な化学実験の基本操作,機器分析法およびコンピュータ操作を実習する。化学基礎実験2では,受講生が3つのグループに分かれて少人数教育のもとに各実験・実習を行う。 | |
学習・教育目標 | 有機化学,無機化学,物理化学に関する基礎的な実験およびコンピュータ実習を通して,化学実験の基本操作や測定値の処理・評価法を修得する。各項目における学習教育目標は以下の通り。 1.臭化ブチルの合成:脂肪族求核置換反応を体得する。有機化学実験における基本操作(加熱還流・蒸留・抽出)を修得する。ガスクロマトグラフィーの原理を理解し使用できるようになる。 2.中和熱と溶解熱の測定:強酸と強塩基の中和反応による中和熱と溶解熱を習得する。 3.重量分析法による重金属イオンの定量:溶液試料からの重金属イオンの定量法を学ぶ。化学実験における基本操作を修得する。 4.誤差解析と実験データの処理:コンピュータを利用して、実験データの統計的処理や誤差の評価の仕方を習得する。 | |
キーワード | 脂肪族求核置換反応、抽出、蒸留、還流,ガスクロマトグラフィー,中和熱,溶解熱,中和反応,熱量計,重量分析、重金属イオン,誤差、有効数字、最良推定値、分散、標準偏差、最小二乗法 | |
授業計画 | 第1回 ガイダンス:実験を始めるにあたっての注意事項(吉村) 実験内容の説明:(実験1(片岡),実験2(吉村)) 第2回 実験内容の説明:(実験3(久禮),実験4(太田))
第3回ー第10回 実験1ー4のテーマを各2回、計8回行う
実験1.臭化ブチルの合成(担当:片岡)酸存在下,ブチルアルコールと臭化ナトリウムを反応させた後,各種精製操作により純粋な臭化ブチルを単離する。ガスクロマトグラフィーを用いて臭化ブチルの純度を測定する。 実験2.中和熱の測定(担当:吉村)塩酸と水酸化ナトリウムの中和反応による熱量計の温度変化と熱量計の熱容量の両測定から中和熱を求め,さらに塩化アンモニウムを用いて溶解熱の測定を行う。 実験3.重量分析法による重金属イオンの定量(担当者:久禮)分析対象の溶液から目的成分を難容性沈殿として分離し、その重量を秤量することによって目的成分の定量を行う。 実験4.コンピュータ実習2(誤差解析と実験データの処理演習)(担当:太田)1日目:誤差の統計的取り扱い方について学ぶ。2日目:最小二乗法によるデータの処理方法について学ぶ。
第11回 レポート総括:(実験1(片岡),実験2(吉村)) 第12回 レポート総括:(実験3(久禮),実験4(太田)) | |
教科書 | 1. | 「化学実験テキスト」 奈良女子大学理学部化学科編集 平成21年4月 | |
参考書 | 1. | 第7版 実験を安全に行うために 化学同人編集部編 化学同人 | 2. | 第3版 続 実験を安全に行うために 化学同人編集部編 化学同人 | 3. | 改訂 化学のレポートと論文の書き方 泉 美治、他 監修 化学同人 | |
成績評価方法 | 出席状況,実験態度,各実験の課題に対するレポートを総合して評価する。提出期限を過ぎたレポートは受理しない。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | | | | | | 100 | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | 出席状況,実験態度,各実験の課題に対するレポートの総合評価 | |
備考 | 化学科実験科目(必修科目)。本科目の受講に際しては,白衣,保護メガネの着用と学生安全保険(学生教育研究災害障害保険と学研災付帯賠償責任保険)に加入していることが義務づけられている。(参考書の追加)「安全の手引」奈良女子大学理学部編。責任教員(片岡) | |
更新日付 | 2010/01/06 18:50:10 |