講義コード 3309300
開設科目名 物理化学通論Ⅱ
担当教員 太田 靖人
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 前期 水曜日 5・6時限 A201
授業方法 講義
対象学生 2回生
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
量子力学は電子、原子、分子などミクロな世界の物質を取り扱うことを得意とするため、化学においても分子の構造や反応を理解する上で大変有用な学問である。本講義では量子力学が誕生するきっかけになった諸現象の説明から始め、 量子力学の基本方程式であるシュレディンガー方程式や、量子力学で必要な数学的概念である演算子、固有関数、固有値などについて説明する。箱の中の電子や二原子分子の振動、回転運動など簡単なモデルを通じて、微視的な世界の粒子の運動が量子力学によってどのように記述されるか説明する。
学習・教育目標
演算子や固有関数、期待値、重ね合わせの原理など量子力学にとって重要な概念を理解し,簡単なモデルを通じて、原子や分子の電子状態を理解するために必要となる基礎的な事柄を習得する。
キーワード
シュレーディンガー方程式、波動関数、演算子、固有値、量子化、変数分離、角運動量
授業計画
第1回  量子力学の学習に必要な数学の準備
第2回  量子力学の起源
第3回  波と粒子の二重性
第4回  シュレーディンガー方程式:   波動関数、確率密度、規格化
第5回  量子力学の原理:  演算子、固有値、固有関数
第6回  一次元の箱の中の粒子(1) シュレディンガー方程式の解き方
第7回  一次元の箱の中の粒子(2) 期待値の計算
第8回  一次元の箱の中の粒子(3) 直交性、重ね合わせの原理
第9回  不確定性原理
第10回  二次元、三次元の箱の中の粒子: 変数分離、縮退
第11回 調和振動子(1) 解の性質、対応原理
第12回 調和振動子(2)分子振動の取り扱い
第13回 二次元の回転運動 (1) 角運動量、直交座標と極座標、複素平面
第14回 二次元の回転運動 (2) 周期的境界条件、回転の量子化
第15回 期末テスト
教科書
1. 量子力学Ⅰ 原田勲・杉山忠男 講談社
参考書
1. 「物理化学(上)」第8版 アトキンス 東京化学同人
2. 物理化学 分子論的アプローチ(上) マッカーリ・サイモン 東京化学同人
3. 量子化学(上) 原田義也 裳華房
成績評価方法
授業への参加度と筆記試験およびレポートなどを総合的に評価する。下の割合はおよその目安である。必ずしも厳密な数値ではない。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
7015105
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科物理化学系講義科目(必修科目)。理学部共通専門科目の数学・物理学関係の科目を予め履修しておいてほしい。物理化学はなかなか身につきにくい学問分野である。試験直前だけ集中して詰め込み型の勉強をするのではなく、普段から講義の内容を復習し、じっくり考えて本質を理解するようにしてほしい。
更新日付 2009/12/28 10:32:15