授業の概要 | 化学のみならず大学で自然科学系の学問を修得するためには基礎的学問としての「物理」を避けて通ることはできない。即ち,現代の自然科学は全て物理学の基盤の上に成り立っていると言える。しかしながら,現在の高校理科教育では科目「物理」は必修ではなく,必ずしも全ての理科系学生が高校で「物理」を学習しているわけではない。このような現状を解消するために,本学科では「化学のための物理1,2」を開講し,物理を学習してこなかった学生にもスムーズに学科専門科目を学習できるよう配慮している。本講義の内容は力学に重点をおき,基礎的理解を得ることを目的としているが,高等学校で学習する数学,特に微積分を利用した考え方を基盤に講義を行うため,高校で「物理」を修得した学生にとっても新鮮でより系統的理解が深まる内容となっている。 | |
学習・教育目標 | 古典力学の基礎としてニュートンの運動方程式(微分方程式)を用いて物体の運動を理解し,さらに,力と仕事の関連から位置エネルギーの概念を学び力学的エネルギー保存則を理解する。このような手法を等速円運動や単振動に適用し,振動に関する微分方程式の解法についても基礎的理解を得る。 | |
キーワード | 物理,力学,力と加速度,ニュートンの運動方程式,エネルギーと仕事,自由落下運動,円運動,運動量,角運動量,単振動,剛体,慣性モーメント | |
授業計画 | 以下の項目について講義を行う。 1) SI 基本単位と物理量 2) 力学の基礎(座標と数学的記述) 3) 力学の基礎(ニュートンの3法則) 4) ニュートンの運動方程式(自由落下・放物運動) 5) ニュートンの運動方程式(様々な運動) 6) エネルギーと仕事(力学的エネルギー保存則) 7) エネルギーと仕事(保存力が働く場における位置エネルギー) 8) 等速円運動 9) 角運動量と力のモーメント(トルク) 10) ケプラーの法則 11) 単振動の基礎 12) バネの振動・振り子の運動 13) 力学に関する基礎的総合演習 14) 数学に関する基礎的総合演習 15) 期末テスト | |
教科書 | 1. | 「物理学入門 I.力学」(大学生のための基礎シリーズ4)。関連する数学(微分・積分,三角関数,ベクトル,複素数等)に関しては各自高校の復習をしておくこと。 市村・狩野 東京化学同人 | |
参考書 | 1. | 「物理学」 小出 裳華房 | 2. | 「初等物理学」 原島 裳華房 | |
成績評価方法 | 出席状況・授業態度,レポート,演習問題,筆記試験を総合して評価する。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 70 | | 10 | 10 | | 10 | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
備考 | 化学科必修科目。 連絡先:C棟C323 室 授業に際しては必ず関数電卓を持参すること。 | |
更新日付 | 2009/12/21 10:05:14 |