講義コード 3308150
開設科目名 基礎化学Ⅲ
担当教員 棚瀬 知明
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 後期 月曜日 3・4時限 A202
授業方法 講義
対象学生 1回生
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
高等学校で学習する科目「化学」と大学で修得すべき化学との間には様々な意味でのギャップが存在する。本講義は,このような矛盾を解決するために設定された,いわゆる高校卒業生のための現代化学入門的意味合いの基礎化学I-IVの一つとして開講され,基礎化学Iと連動した内容を含む。本講義では,原子軌道の考え方を背景に,『共有結合』の現代化学的理解の基礎となる分子軌道の初歩的考え方を講義する。また,価電子対反発則や混成軌道の概念(原子価結合法)を導入することにより,比較的簡単な分子の立体構造と電子状態についての系統的理解を得ると同時に,重要な無機・有機化合物の分子構造と電子状態についての詳細を説明する。また,共有結合以外の化学結合,金属結合,イオン結合,水素結合等についても概説する。
学習・教育目標
原子軌道の考え方を基に,『共有結合』の基礎的理解を与える分子軌道の初歩的考え方について学習する。特に,二原子分子について,分子軌道法に基づく電子状態と結合次数や分子の性質との関連について理解を得る。さらに,価電子対反発則や混成軌道の概念(原子価結合法)を導入することにより,比較的簡単な分子の立体構造と電子状態についての系統的理解を得ると同時に,重要な無機・有機化合物の分子構造と電子状態の関連について学習する。金属結合,イオン結合,水素結合等の化学結合についても基礎的理解を得る。
キーワード
分子の構造,化学結合,電子状態,分子軌道法,価電子対反発則,原子価結合法,混成軌道,電子不足結合,3中心2電子結合,金属結合,イオン結合,水素結合
授業計画
以下の項目について講義を行う。
(1)原子軌道に関する復習(テストを行う場合もある)
(2)化学結合の基礎(イオン結合,共有結合,金属結合)
(3)電子対結合(Lewis構造、結合長・強さ)
(4)原子価殻電子対反発則と分子構造
(5)原子価結合法(混成軌道の考え方)
(6)分子軌道法の導入
(7)共有結合と等核二原子分子の分子軌道(分子軌道,σ結合とπ結合)
(8)共有結合と異核二原子分子の分子軌道
(9)混成軌道と多原子分子の分子軌道
(10)超原子価化合物の構造と電子状態
(11)基礎的な有機・無機化合物の構造と結合および電子状態
(12)電子不足結合(3中心2電子結合)
(13)金属結合と金属結晶構造の基礎的考え方
(14)イオン結合および水素結合
(15)期末テスト
教科書
1. 無機化学』(第4版)(上)2章 また,講義資料をインターネットで配信するので各自ダウンロードすること(URL等の詳細については授業中に説明する)。 シュライバー・アトキンス、田中他訳 東京化学同人 2008
参考書
成績評価方法
出席状況・授業態度,レポート,筆記試験を総合して評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
70101010
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科必修科目。連絡先:C棟C323室
更新日付 2009/12/21 13:25:06