授業の概要 | 化学のものの考え方には、2つのレベルの考え方がある。一つは電子・原子・分子といった「粒子」を考えて、その「粒子」自体のふるまいをもとに、粒子の集まりである「物質」の性質を記述するというもので、これは例えば、電子構造や化学結合の性質を議論するものである。もう一つは「粒子」のレベルまで「微視的」に考えずに、ほとんど1モルあるいはアボガドロ数個のオーダーの莫大な個数の分子の「集団」、すなわちわれわれが日常取り扱い、肉眼で見える「物質」の、巨視的なレベルでの性質を議論するものである。この講義では、後者の巨視的な性質を考える仕組みを学ぶ。物質の巨視的な性質を述べるためには「熱力学」という言語・論理が必要で、本科目ではその「熱力学」の基礎を学ぶ。 | |
学習・教育目標 | 化学を論じる上で不可欠な言語である「熱力学」の基礎の部分を習得する。 | |
キーワード | 熱力学、熱、内部エネルギー、仕事、エンタルピー、熱力学第1・2・3法則、エントロピー | |
授業計画 | 以下の項目について講義する。 (1)力学的エネルギーについて (2)理想気体の内部エネルギーについて (3)仕事について (4)体積・圧力・温度(熱力学変数)について (5)熱量・熱容量について (6)熱力学第一法則について (7)エンタルピーについて (8)理想気体のサイクルについて (9)カルノーサイクルについて (10)熱効率・熱機関について (11)熱力学第二法則とエントロピーの導入 (12)可逆・不可逆変化、エントロピーについて (13)熱力学第三法則・エントロピーの解釈について (14)自由エネルギーの導入と状態変化の方向 (15)平衡について | |
教科書 | 1. | 物理入門コース7 熱・統計力学 第1-4章 戸田盛和 岩波書店 | |
参考書 | 1. | 親切な物理(上) 渡辺久夫 ブッキング 2003 4-8354-4068-4 | 2. | 大学の化学(第2版)[I] メイアン 廣川書店 2003 4-567-20224-4 | 3. | 熱力学・統計力学 原島鮮 培風館 1978 4-563-02139-3 | |
成績評価方法 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | | 50 | 50 | | | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
備考 | 化学科必修科目。再履修者向けの集中授業であり、前期の補講期間のうち、8月3日~5日に終日授業を行う予定であるので、受講者はその予定にしておくこと。 | |
更新日付 | 2009/12/19 17:18:26 |