講義コード 7332600
開設科目名 物理化学特論
科目群名
専攻 化学
コース
担当教員 山室 修
河野 裕彦
教員所属 非常勤講師
開講期・曜日・時限・教室 後期集中 その他 その他
授業方法 講義
対象学生 1年次以上
単位数 1.0
週時間 (15)



授業の概要
山室:本授業では、物性科学の重要な対象の一つである液体およびガラスの構造とダイナミクスの基礎について講義を行う。最初に、液体やガラスの研究の基礎となる熱力学と統計力学について学ぶ。次に、ガラス転移およびそれに関係する構造緩和の実験結果と理論を概観する。さらに、これらの分野で非常に有用である中性子散乱法の原理について学ぶ。最後に、最新のトピックスである単純分子のガラス転移やイオン液体のダイナミクスなどについて、講師の研究を中心に紹介する。

河野:「光化学反応」の理解に必要な光と分子の相互作用に関する基礎から、最新の異性化反応などの時間分解分光や遷移状態分光の実験・理論まで紹介する。量子化学に基づいた第一原理分子動力学計算法や量子波束動力学についても触れる。
学習・教育目標
山室:液体やガラスはもともとやや難しい対象であるので、必ずしも完全に理解することにこだわらず、全体を概観し、何が興味深いか、何か問題点であるかを各自が見いだすことを目標とする。

河野:光と分子の相互作用についての基礎的知識を習得し、光化学反応及びフェムト秒分光の実験と理論を学ぶ。特に、反応を古典・量子ダイナミクスの視点から理解できることを目指す。
キーワード
山室:液体、ガラス、中性子散乱、エントロピー
河野:分子、レーザー、光エネルギー緩和、化学反応、第一原理分子動力学シミュレーション、電子・核波束
授業計画
山室:
1. 液体およびガラス研究の基礎知識
  動的構造因子, 時空相関関数、構造エントロピーなど
2.ガラス転移と構造緩和の基礎
  代表的な実験結果、自由体積理論, エントロピー理論など
3. 液体・ガラスのための中性子散乱法
  全散乱, 準弾性散乱、非弾性散乱など
4. 最新トピックス
  単純分子ガラス, イオン液体など

河野:
1.光の波動性と量子性
2.励起状態ダイナミクス ・Bixon-Jortnerの古典モデル・フェムト秒分光
3.光と分子の相互作用
4.時間依存Schrodinger方程式の解法と第一原理動力学計算
5.強い光との相互作用・高強度超短レーザーパルスが拓く分子科学
6.遷移状態分光
7.光反応制御
教科書
1. 山室:プリントを配付する。
2. 河野:特になし
参考書
1. 河野:化学動力学 Steinfeld・Francisco・Hase 東京化学同人
2. 河野:物理化学―分子論的アプローチ(上) マッカーリ&サイモン 東京化学同人
成績評価方法
山室:出席とレポートにより評価する。
河野:出席とレポート等による総合評価
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
05050
※成績評価割合の
教員独自項目
他専攻(複合コース等)
の学生の問い合わせ方法
備考
非常勤講師による集中講義
山室 修・東京大学物性研究所/連絡先:飯田  
河野裕彦・東北大学大学院理学研究科/連絡先:太田
更新日付 2009/12/17 12:54:00