授業の概要 | 辻:遷移金属錯体触媒を用いる均一系触媒反応は,エネルギー消費を抑え,目的とする生成物のみを選択的に得るために最も重要なものの一つである。効率的な触媒反応を進行させるためには,触媒中心周りの配位環境を適切に設計することが重要である。本授業においては,触媒有機化学の新展開について,最近我々が見いだした触媒および触媒反応の具体例を基に講義する。 嶋田:クラーク数第2番目元素のケイ素は元素戦略として重要であるばかりでなく,同族元素の炭素とは異なった反応性を示す。その反応性に注目し,有機ケイ素化合物から無機ケイ素化合物まで広く講義する。特にアリルシランを用いる反応については詳しく講義する。また,同周期元素のリン原子にも注目し,ホスフィンを配位子とする遷移金属錯体が触媒する均一系および不均一系反応についても講義する。 | |
学習・教育目標 | 辻:高活性触媒を開発するための触媒設計の考え方,および触媒構築法を,最近開発された具体例を基に学ぶことにより,この分野における高い研究開発能力を獲得する。 嶋田:典型元素であるケイ素およびリンを含む化合物の反応性について学習した後,遷移金属触媒を用いる触媒反応への応用についても理解を深める。さらに,有機化学と無機化学の境界領域から今後の研究課題を探る。 | |
キーワード | 辻:触媒有機化学,遷移金属錯体触媒 嶋田:有機ケイ素化合物,無機ケイ素化合物,遷移金属触媒,ホスフィン配位子,有機・無機ハイブリッド | |
授業計画 | 辻: 下記の最近のトピックスについて講義する。 1.長鎖エチレングリコール基を有する触媒の開発 2.半球型ナノサイズホスフィンを有する触媒の開発 3.新規高選択的付加反応の開発 4.二酸化炭素の新規固定化反応の開発
嶋田: 1.アリルシランの反応性と材料化学への展開 2.ヒドロシリル化について 3.クロスカップリング反応について 4.ホスフィン配位子について 5.不均一触媒反応の最近の展開 6.最近見いだされた有機・無機ハイブリッドの新展開 | |
教科書 | |
参考書 | 1. | ヘゲダス 遷移金属による有機合成 ヘゲダス 著,村井 訳 東京化学同人 | |
成績評価方法 | 辻:出席状況およびレポートを総合的に評価する 嶋田:出席状況およびレポートを総合的に評価する | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | | | | | | 100 | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
他専攻(複合コース等) の学生の問い合わせ方法 | |
備考 | 非常勤講師による集中講義 辻 康之・京都大学大学院工学研究科/連絡先:浦 嶋田豊司・奈良工業高等専門学校物質化学工学科/連絡先:片岡 | |
更新日付 | 2009/12/25 09:05:46 |