講義コード 3312360
開設科目名 化学キャリアセミナーⅢ
担当教員 加藤 昌子
鈴木 正夫
笹原 敦子
教員所属 非常勤講師
開講期・曜日・時限・教室 後期集中 その他 その他 その他
授業方法 講義
対象学生 1回生~4回生
単位数 1.0
週時間 (15)



授業の概要
 本講義では,学術や実社会の第一線で活躍されている3人の講師の先生に,ご自分の研究や仕事またそれに関連する分野について,経験等を含め講義していただく。その話の聴講によって化学科学生が自己の将来や現在の勉学の意義を考えるヒントにする。
学習・教育目標
 他の化学科専門科目では純粋に化学の内容を学ぶが,本科目は,現在学んでいる化学がどのように自分自身の将来の進路,ライフステージ,実社会での生活に結びついているのかという点について,その考えるヒントとなりうる話を講義するものである。実際に本学化学科で4年間化学を学んだ後に来る,就職や大学院への進学,そしてその後の女性としてのライフステージを考えるとき,純粋に学問としての化学を学ぶだけでなくこういった現実的な観点を考えることも必要であろう。本講義では毎年度,学術にとどまらず産業界や公的研究機関で化学に関連した分野で活躍されている方を3名お招きし,社会での仕事の最前線やキャリアライフの話を聞く。招聘する講師の先生の中には女性の先輩も含まれる。これにより,1~4回生までの全学年の化学科の学生がその将来のキャリアを化学をもとに考える糸口を探るきっかけとする。
キーワード
(加藤)錯体化学,光機能性金属錯体,教育研究
(鈴木)皮膚の構造と機能,アレルギー,化粧品,スキンケア,界面化学
(笹原)xxx
授業計画
1.「大学における勉学・研究の面白さ」担当:加藤昌子(北海道大学大学院理学研究院 教授)
 大学での研究は本質的には,研究者の知的好奇心が駆動力となる。もちろん,社会的要請は研究に方向性や意義を与えるが,研究から何を見出すかは研究者次第である。これは学生として大学で先人が築いてきた学問を学んでいる皆さんにも同じことが言えるかもしれない。発明や発見という“知”の醍醐味に触れた者は研究者になりたい,研究者であり続けたいと思う。本講義では,カラフルな色や発光に惹かれて金属錯体化学の研究を続けてきた自らの経験に基づいて,大学における勉学・研究の面白さを伝えたい。

2.「スキンケアを科学する」担当: 鈴木正夫((株)構造機能科学研究所・代表取締役)
 日本人の2人に1人が何らかのアレルギーを発症しており国民病・現代病とも言われていますが,アレルギー増加の一因が化粧品にあることが明らかになってきており,これまでの化粧品とは異なる皮膚本来の機能を高めて健康美肌を実現するスキンケア製品が熱望されています。
このような社会背景に鑑み,望ましいスキンケア製品の開発を目指して,医学・薬学・生命科学・物質科学を専門とする大学教授らが母体となって(株)構造機能科学研究所が1999年に設立されました。
本講義では,皮膚を通して健康・生命・自然を言及し,(株)構造機能科学研究所の取り組みをご紹介します。

3.「電機メーカーにおける材料開発」担当: 笹原敦子(三菱電機株式会社 先端技術総合研究所(本学化学科OG))
 本講義では,エンジニアとして働いてきたこれまでの経験を述べるとともに,高分子材料に関する研究開発事例を通して,電機メーカーにおける製品適用にいたるまでの材料開発とはどういうものか,その難しさを紹介する。また,将来エンジニアとして働くことをめざす人のために,大学で学んだこと,化学の知識や考え方が企業でどのように役立つか,多くの女性技術者が活躍している現状を伝え,結婚しても家事や育児をしながら働き続ける女性の生き方についても述べる。
教科書
1. 特になし
参考書
1. 必要に応じ,講義中に適宜紹介される。
成績評価方法
出席状況とレポートなどで総合的に評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
05050
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科共通系特別科目。1~3回生は必修(4回生までに毎年開講される化学キャリアセミナーI~IVのうち2科目以上の単位を取得することが必要)。4回生は化学科選択科目であるが,できるだけ受講することが望ましい。
化学科担当教員・連絡先:教務
講義は1回の時数5時間で3回に分けて行う。原則水曜日の午後を予定している。
更新日付 2011/12/22 11:04:14