講義コード 3310700
開設科目名 錯体化学
担当教員 棚瀬 知明
教員所属 理学部
開講期・曜日・時限・教室 前期 木曜日 1・2時限 A202
授業方法 講義
対象学生 3回生
単位数 2.0
週時間 2



授業の概要
無機化学,特にd-ブロックの元素の化学で中心的重要な役割を担っている金属錯体は,ウェルナー型配位化合物と金属-炭素結合をもつ有機金属錯体に分けられるが、本講義では両者を包括的に理解するための基礎的考え方を分かりやすく説明する。結晶場理論と配位子場理論,分子軌道法の基礎を理解し、それぞれの利点を用いて金属錯体の構造、電子状態、物性、反応性について講義する。
学習・教育目標
金属錯体の構造や配位子の性質を理解したのち,結晶場理論に基づいて金属錯体の立体構造や電子構造を体系的に学習し、ウェルナー型配位化合物の構造や性質を理解出来るようにする。また、配位子場理論の基礎を学習し,金属錯体の電子スペクトルや磁性等の物性について理解を得る。さらに,錯体の反応性や機能について学習する。
キーワード
金属錯体,配位化合物、有機金属錯体、結晶場理論,結晶場分裂パラメーター,電子スペクトル、磁性、金属-炭素結合,有効原子番号則,18電子則,有機配位子
授業計画
第1回  金属錯体とは、ウェルナー型配位化合物と有機金属錯体
第2回  金属錯体の構造,代表的な配位子と命名法
第3回  金属錯体の立体構造と異性体
第4回  結晶場理論と結晶場分裂パラメーター
第5回  結晶場分裂と錯体の立体構造
第6回  電子配置(高スピン、低スピン)とJahn-Teller効果
第7回  遷移金属イオンの電子配置とLS項
第8回  金属錯体の電子配置と電子スペクトル1
第9回  金属錯体の電子配置と電子スペクトル2
第10回 金属錯体の電子配置と磁気的性質
第11回 金属錯体の反応(配位子置換反応)
第12回 金属錯体の反応(酸化還元反応)
第13回 錯体の機能 
第14回 配位子場理論と18電子則(有効原子番号則)
第15回 有機金属錯体
教科書
1. 無機化学』(上、下)4版,8章,19-21章。また, シュライバー・アトキンス,田中他訳 東京化学同人 2008 978-4-8079-0667-3
2. 講義資料をインターネットで配信するので各自ダウンロードすること(URL等の詳細については授業中に説明する)。
参考書
1. 金属錯体の構造と性質 三吉克彦 岩波書店 2001 4-00-011042-X
2. 基礎無機化学 荻野,飛田,岡崎 東京化学同人 2002 4-8079-0520-1
成績評価方法
出席状況・授業態度,レポート,筆記試験を総合して評価する。
成績評価割合
(%)
定期試験(中間・期末試験)小テスト・授業内レポート宿題・授業外レポート授業態度・授業への参加度受講者の発表(プレゼン) 
出 席
 
教員独自項目※
70101010
※成績評価割合の
教員独自項目
備考
化学科無機化学系講義科目(選択科目A群)。連絡先:C棟C323室

参考書:J. Ribas, 『Coordination Chemistry』Wilet-VCH, 2008.
更新日付 2011/05/18 12:22:13