授業の概要 | 遷移金属錯体触媒による有機合成反応は近年において益々飛躍的発展を遂げており、最近では環境低負荷型反応の開発に特に力が注がれている。本講義では、多彩な錯体触媒反応のなかでも、炭素-炭素あるいは炭素-ヘテロ原子結合の生成を伴う反応を中心に、それぞれの反応の研究背景・重要性と反応機構について最新の研究成果も含めて解説する。 | |
学習・教育目標 | 多彩な触媒反応が開発された経緯を知ると同時に、それらの触媒サイクルが、本質的には限られた数種の素反応(基本反応)の組み合わせで成り立っていることを理解する。ある任意の反応について、自ら反応機構を提案できるよう実力を養成する。 | |
キーワード | 有機金属化学、有機合成化学、遷移金属錯体触媒、有機合成反応、炭素-炭素結合、炭素-ヘテロ原子結合、反応機構 | |
授業計画 | 以下の項目について講義を行う。
1)ガイダンス 2)素反応について(1) 3)素反応について(2) 4)素反応について(3) 5)水素化反応 6)Wacker酸化および関連反応 7)不飽和炭化水素類への付加反応 8)不飽和炭化水素類の重合反応、オリゴメリゼーション 9)クロスカップリング反応、Heck反応 10)メタセシス反応 11)一酸化炭素が関与する反応 12)C-H結合活性化を経る芳香族化合物の官能基化反応 13)C-H結合活性化を経る飽和炭化水素類の官能基化反応 14)C-C結合活性化を経る炭素骨格変換反応 15)まとめ | |
教科書 | |
参考書 | 1. | The Organometallic Chemistry of the Transition Metals, 5th ed. R. H. Crabtree Wiley 2009 | 2. | 有機合成のための触媒反応103 檜山為次郎・野崎京子編 東京化学同人 2004 | |
成績評価方法 | 出席、授業への参加度、レポート、プレゼン等を総合的に評価する。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | 0 | 20 | 40 | 20 | 20 | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
他専攻(複合コース等) の学生の問い合わせ方法 | |
備考 | 本特論は、日本語による講義を理解することが困難である化学専攻に在籍している外国人学生のために特別に開講する科目である。講義は英語で行われる。当該学生は、奈良女子大学大学院人間文化研究科規定別表1に記載されている化学専攻専門科目のうち、有機化学に関する科目である「触媒機能化学(浦)」の内容の講義を本特論として受講することができる。本科目受講希望者は、事前に化学科専攻長に申し出ること。 | |
更新日付 | 2012/05/15 11:01:36 |