授業の概要 | 本講義では、光と分子の関わりにより生じる化学現象について解説する。光吸収により励起状態にある分子は、その基底状態から電子受容性・供与性を著しく増大させるだけでなく、発光、結合解離、構造異性化など様々な化学・反応特性を示すことが知られている。この様な分子は光機能分子として扱うことができ、本講義では前半で光物理・化学過程における基本事項を解説し、後半でこれらの過程に関わる幾つかの光機能分子の性質とメカニズムを紹介する。 | |
学習・教育目標 | 光と物質の相互作用の概念、光反応の物理的・化学的意味を理解する。また、分子の光励起状態からの反応過程やダイナミックスに関する学習を通じて、通常の熱反応とは大きく異なる光反応の実験手法について実践的な知識を身につける。 | |
キーワード | |
授業計画 | 第1回-第10回 I.光物理・化学過程 1)ガイダンス 2)分子と光の相互作用 (光子吸収、電子励起状態、電子遷移と選択則) 3)光励起状態分子の動的挙動 (項間交差、内部変換、放射過程、多光子励起) 4)光活性種生成および光増感反応 5)励起エネルギー移動反応 6)電子移動反応の基礎理論 7)光誘起電子移動反応 8)電荷移動錯体と励起錯体 9)レーザーの種類と原理 10)パルス励起光による高速分光法 第11回-第15回 II.光機能分子の反応メカニズム 1)主な発光性分子とそれらの原理 2)光エネルギー変換反応 3)生体内光反応 4)生体分子ラベル化と光反応 5)まとめ | |
教科書 | |
参考書 | |
成績評価方法 | 出席および講義への取り組み状況、講義内容に関連したレポートにより総合的に評価する。 | |
成績評価割合 (%) | 定期試験(中間・期末試験) | 小テスト・授業内レポート | 宿題・授業外レポート | 授業態度・授業への参加度 | 受講者の発表(プレゼン) | 出 席 | 教員独自項目※ | 0 | 0 | 70 | 10 | 0 | 20 | | |
※成績評価割合の 教員独自項目 | |
他専攻(複合コース等) の学生の問い合わせ方法 | |
備考 | 本特論は,日本語による講義を理解することが困難である化学専攻に在籍している外国人学生のために特別に開講する科目である。講義は英語で行われる。当該学生は,奈良女子大学大学院人間文化研究科規程別表1に記載されている化学専攻専門科目のうち,「光機能分子化学」と同じ内容の講義が行われる。本科目受講希望者は,事前に化学専攻長に申し出ること。各回の内容について、事前に配布されたプリントあるいは指定された参考書の該当箇所を受講前に良く読んでおくこと。 | |
更新日付 | 2012/05/15 11:01:34 |