化学コースよりご挨拶

 私達の身の回りには実に多くの化学物質があふれています。自然界に存在する元素の種類はわずかに80ですが、その組み合わせでできあがる化学物質の種類は無数で、毎日1万を超える新規化合物が報告され、今も増え続けています。そのような物質の本質を理解し、新たな物質を創成していくのが「化学」という学問です。

 化学は英語でChemistry(ケミストリー)といいますが、語源は錬金術alchemy(アルケミー)にさかのぼります。銅などの卑金属から金などの貴金属を創り出したいという錬金術師の願いは、残念ながら、化学ではなく核物理の分野で実現しましたが、化学物質の本質をみきわめ、有用な新物質を自らの手で創製したいという夢は化学者に受け継がれています。現代の錬金術師である化学者は、これまでの研究成果の積み重ねである膨大な論文、量子論や統計理論など現代物理を基盤とする理論、最新鋭の測定機器などを武器に研究を進めているのです。

 私たちの化学コースでは「現代化学」の4つの分野(物性物理化学、分子創成化学、生命機能化学、物質機能化学)▶の教育・研究を行っています。学生の皆さんは世界的に標準とされるカリキュラムにより、最初の3年間に化学の基礎を修めます。4回生以降は4つの分野から研究室を選び、卒業研究と、大学院進学後は大学院修士研究を進めていきます。化学コースでは優れた研究者である18名の教授陣▶が最新の研究成果に基づいて質の高い化学教育を提供しており、化学コース(旧化学科)学部学生約160名、大学院博士前期課程院生約45名、同後期課程院生3名がその指導の下に勉学・研究生活を送っています。

 はじめにも書きましたが、化学という学問は私たちの生活に密接に結びついています。新物質の開発は私たちの生活を豊かにしてきました。そのような物質の特性を理解するためには緻密な理論の構築も重要です。化学物質を理解するために「微分方程式」が必要になることを皆さんは想像できるでしょうか?大学の化学に接した時、皆さんは高校化学との違いに戸惑うことでしょう。しかし、論理的な化学を修め、実験についてのスキルを身に着けたとき、皆さんの前には新たな知の世界が広がることになるはずです。1300年の歴史を刻む古都奈良、その静かな奈良女子大学のキャンパスで私たちと一緒に化学を学びませんか。

化学コース長・専攻長 教授 梶原 孝志
化学コース長・専攻長 教授
梶原 孝志

ページトップ