機能性高分子化学研究室

1 |機能性高分子および高分子集合体の設計・合成と光化学的手法によるその性質の検討

構造材料や繊維をはじめとする高分子物質は私たちの生活に大変身近な物質です。私たちの研究グループでは、熱やpH、光などの外部刺激に応答してその特性を変えるという興味深い性質をもつ刺激応答性高分子を主対象とした機能性高分子やそれらが構築する高分子集合体を設計・合成し、その性質を光化学的手法により詳細に調べています。外部刺激により引き起こされる高分子鎖のミクロ変化を検出するために、新規蛍光プローブモノマーや蛍光プローブ重合開始剤の設計・合成も行なっています。これらを用いて重合を行なうことで、蛍光プローブの導入位置が明確な高分子を得ることができます。さらに、機能発現やその制御を目指し、種々のモノマーを色々な混合比で組み合わせ、様々な構造の高分子・高分子集合体の設計・合成とその機能解明へと研究を展開しています。最近では、生分解性高分子や生体高分子を取り入れた機能性高分子の設計を行なっています。

Annealed at 110℃

図1 機能の発現やその制御が可能な刺激応答性高分子の設計

本研究室で開発されたイオン液体(上図、下層)は、水溶液(上層)から銅イオンを99.8%の高率で抽出することができる。

図2 光化学的手法による蛍光プローブ導入感熱性高分子の応答挙動の検討

2 |質量分析における化学反応理論の研究と文化財保全環境モニターシステムへの応用

気相イオンの単分子反応、イオンと分子の二分子反応およびイオンと固体表面の反応のメカニズムを質量分析と量子化学理論により研究しています。リン酸化ペプチドや糖ペプチド等の生体活性物質や有機ケイ素分子等の機能性物質の反応を、分子レベルで解明することにより、イオン反応を予測する理論の構築を行っています。この理論は、超高感度の質量分析装置によって未知物質の構造解析をする場合にとても有用な理論です。さらに、マススペクトルのフラグメンテーション反応を応用して、古墳由来の微生物が生成する揮発性代謝物質の分子構造を特定し、そのパターン認識によりカビ種を特定するプログラムを構築しました。これは文化財保全環境をモニターするシステムに応用されます。

デンドリマー(親水部) 両親媒性デンドリマー アルキル鎖(疎水基)

図1 質量分析における化学反応理論の研究。有機ケイ素イオンの新しいフラグメンテーション反応の機構をab initio 理論計算とタンデム質量分析により解明し、質量分析における化学反応理論を構築。

ジェミニ型界面活性剤

図2 文化財現場でのカビの揮発性代謝物のイオン移動度スペクトル計測とカビ種を特定するソフトウェアの研究(マススペクトルのフラグメンテーション反応を応用して、古墳由来の微生物が生成する揮発性代謝物質の分子構造を特定し、そのパターン認識によりカビ種を特定するプログラムを構築)



研究室風景

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